縫製

縫い方と作り方。ジャケットとの違いは比翼仕立て、前身頃の芯の裾の取り方、生地の厚みへの対応。

縫う順序はおおむねジャケットの縫製と同じである。

ジャケットと異なるのは次の3点になる。

  • シングルのチェスターフィールドコートで使われる比翼仕立て
  • 前身頃の芯の裾の取り方
  • オーバーコートの生地の厚みを考慮した縫製

前身頃の芯

前身頃の芯は、肩芯・増芯・基芯(台芯)・釦芯からなる。

前身頃の芯の部品。
前身頃の芯の部品。
芯を据えたところ。
芯を据えたところ。

ジャケットと違うのは前裾の付近で、台芯より柔らかく薄い芯地を別に取る。スレキなどを使う。

比翼仕立て

ボタンやボタンホールを表に見せない前端の作りである。作り方は比翼仕立てにある。

生地の厚みと前端

オーバーコートは生地が厚いので、控えに必要な分量を得るために、 前身頃表と見返しとで縫い代の分量に差をつけておく。

縫い代

返り点より上では見返しが、下では前身頃の表地が表に出る。表に出る側の縫い代を6mm長く取る。

縫い代の例返り点より上返り点より下
前身頃表7mm13mm
見返し13mm7mm

生地の端を前身頃表と見返しとで合わせて地縫いする。返り点より上は芯の端に合わせて縫い、 下は芯の端から数mm離して縫う。

縫ったら縫い代を3mmに切り落とし割る。メルトンなら3mmでもほつれない。

衿の付近。
衿の付近。
裾の付近。
裾の付近。

控える

最後に表へ返して控える。返り点より上は前身頃表を、下は見返しを3mmほど控える。

返り点を境に、控える側が入れ替わる。
返り点を境に、控える側が入れ替わる。
返り点より上。前身頃表を控える。
返り点より上。前身頃表を控える。

参考文献

  1. 国内 染葉秋宏 (1940) 『男子服裁縫の要訣』 文化服装学院すみれ会出版部 書誌情報送信サービス
  2. 国内 木村慶市, 松原正巳 (1948) 『図解紳士服全書』 生活研究社 書誌情報送信サービス
  3. 国内 染葉秋宏, 太田三子夫 (1951) 『男子服の縫い方』 服装技能協会 書誌情報送信サービス