切躾

毛織物に印を付ける方法。中表に重ねた生地へまとめて印を移し、糸を抜けば跡が残らない。

切躾は、重ねた複数枚の生地にまとめて印を付ける方法である。

チョークで直接引く方法もあるが、払っても完全には落ちず、裏側にも写らない。2枚を重ねて同じ印を付けるには切躾が確実である。しつけ糸そのものを印にするので、縫い終わってから引き抜けば跡が残らない。

手順

  1. 生地を中表に重ねる
  2. チョークで引いた線に従い、二本どりのしつけ糸で置き躾をする
  3. 表から、糸目の中央を切る(図のカット①)
  4. 生地を1枚持ち上げ、生地と生地のあいだの糸を切る(図のカット②)
  5. 表面に残った糸端を短く切る
  6. 上からアイロンを当てて押さえる
2回に分けて糸を切る。左右の生地それぞれに、点状の印が残る。
2回に分けて糸を切る。左右の生地それぞれに、点状の印が残る。

置き躾の段階では、曲線と合印をなるべく細かく取る。また、生地がずれると2枚の印が食い違うので、動かさないよう押さえながら進める。

切るときに気をつけること

生地のあいだの糸を切るときは、鋏を生地と平行に寝かせて使う。先を立てると生地まで切ってしまう。

糸は、しつけ糸が抜けない長さを残して切る。短く切りすぎると印が脱落する。切ったあとにアイロンで押さえるのは、抜けにくくするためである。

切躾を終えた前身頃。出来上がり線、ダーツ、ポケットの位置が点で示されている。
切躾を終えた前身頃。出来上がり線、ダーツ、ポケットの位置が点で示されている。

印は不要になったら毛抜きで引き抜く。

参考文献

  1. 国内 木村慶市, 松原正巳 (1948) 『図解紳士服全書』 生活研究社 p.214 書誌情報送信サービス