製図
型紙を起こす方法。囲み製図・原型製図・立体裁断の3つと、それぞれが何を基にして形を決めるか。
型紙を起こす方法と、出来た製図の線の読み方をまとめる。
型紙を起こす方法
平面の紙の上で線を引くものと、ボディに生地を当てて形を作るものがある。前者はさらに、採寸値から直接引く囲み製図と、いちど作った原型から派生させる原型製図に分かれる。
囲み製図
採寸値をもとに、あらかじめ設計された数式で寸法や変数を求め、平面に型紙を作る方法である。
数式が決めるのは寸法だけである。点を置き、線を引くには、どこから測るか、どちらの向きへ測るか、どの線と直交するか、どの線とどの線の交点か、といった点や線どうしの関係も要る。囲み製図では、この寸法と関係の両方があらかじめ決まっている。
ただし裁断書の手順に書き下してあるのは、多くの場合この寸法の求め方だけである。向きや位置の関係は文章にされず、同じ書に載っている製図の例と見比べて読み取ることが前提になっている。
総丈、背丈、鎌深、胸囲、背巾、胸巾といった寸法から水平線と垂直線を引くため、全体が水平・垂直の線で囲われたような製図になる。

補正は、まず採寸値どおりに全体を製図し、出来上がった製図に対して補正の操作を加えるという順で行う。
これは機械や建築の設計で使うパラメトリックモデルの一種といえる。裁断書に載っている製図の手順は、パラメトリックCADのヒストリにあたる。
原型製図
採寸値から囲み製図で原型を作り、これを土台にして派生させる形で、いろいろな服を平面に製図する方法である。
原型に各人の体型へ合わせた補正を加えたうえで、その原型を基に作図する。土台となる原型には男子原型や婦人原型がある。上半身に着る服に用いる。
立体裁断
人の平均的な体型を模したボディ(トルソー)に直接生地を当て、ピンで留めながら服の形を作っていく方法である。ドレーピングともいう。
ボディの上で形を作るため、平面製図では考えにくい立体的な形を直感的に作れる。出来た形に印を付けてから生地を平らに戻し、平面の型紙に起こす。
紳士服で使われるもの
紳士服で主に使われるのは囲み製図である。このサイトに載せている型紙もすべて囲み製図による。
原型製図も1960年以前から見られるが、その主な対象は婦人服である。原型製図を使った紳士服の製図は『紳士服全集』(沢野住子 1948)に見られる。
製図に引かれる線
仕上がり線と裁ち切り線
平面製図で得られる輪郭線には、縫い代を含む線と含まない線がある。前者を裁ち切り線、後者を仕上がり線(出来上がり線)という。
どの線をどちらにするかは文献によって違う。調べた限りでは、次の分け方が多い。一例にすぎないので、参照する裁断書で必ず確かめること。
| 衣服 | 仕上がり線 | 裁ち切り線 |
|---|---|---|
| 上着(ジャケット・オーバーコート) | 前端線、裾線、衿刳線、衿ミツ、背中心線、胸ダーツ、上衿の輪郭線、袖口線 | 袖刳(身頃・袖とも)、脇線、脇ダーツ、袖の内縫い目と外縫い目、肩線 |
| ズボン | 上端線、前刳線、後刳線、裾線 | 脇線、内股線 |
| チョッキ | 背中心線、裾線、衿ミツ、前端線、胸ダーツ | 脇線、袖刳、肩線 |
縫い代の寸法
縫い代は1/4インチ(≒7mm)で設計されている。もとがヤードポンド法による製図だったことによる。
仕上がり線には、この縫い代と縫込みを付ける。
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参考文献
- 国内 (1948) 『紳士服全集 (文化洋裁研究講座)』 服装文化協会 書誌情報送信サービス 原型製図をベースとして紳士服の製図を行っている