腰芯と腰裏を付け、見返しとファスナー、持ち出しで前開きを作る。

この工程では次の作業を行う。

  1. 前身頃(上前)に腰芯と腰裏を取り付ける
  2. 前身頃(上前)に見返しを取り付け、腰飾りミシンをかける
  3. 見返しのファスナーと前身頃(下前)、持ち出しをまとめて地縫いする
  4. 前身頃(下前)に腰芯と腰裏を取り付ける
  5. 前身頃(下前)にも腰飾りミシンをかけ、ベルトループを付ける

腰帯が別帯の場合は、腰芯と腰裏を取り付ける段階で腰帯も付ける。ここでは身頃と一体にする普通仕立てとして書く。

ファスナー仕立てでは、見返しのファスナーと下前・持ち出しを地縫いする段階で、前身頃の左右が結合する。

ベルトループは、腰裏を下ろす前に付けておく。

腰芯を付ける

腰芯は巾5cm程度で、身頃の仕上がり線に沿って付ける。縫い代の分だけ内に入ったところまで付ける。仕上がり線から2〜3mm入った位置で、芯・身頃・腰裏をまとめて地縫いする。

上前の裏。腰芯を仕上がり線に沿って置いたところ。
上前の裏。腰芯を仕上がり線に沿って置いたところ。
腰裏を身頃に合わせたところ。
腰裏を身頃に合わせたところ。

地縫いして折り返すと、腰裏が上端から2〜3mm控えられる。

地縫いして腰裏を折り返したところ。
地縫いして腰裏を折り返したところ。

見返しを付ける

見返しは開き止まりを合わせ、4〜5mmで地縫いする。上端の6cmはミシンで縫わない。前カンを付けるためである。持ち出し側のファスナーは避けておく。

見返しは2mm控えて内側に折り返す。前カンを付け、上端6cmは手縫いでかがって始末する。

上前に見返しを合わせたところ。
上前に見返しを合わせたところ。
見返しを折り返し、前カンを付けたところ。
見返しを折り返し、前カンを付けたところ。
前カンを取り付けているところ。
前カンを取り付けているところ。

腰飾りミシン

開き止まりを起点に、上端から3.5cm程、前端から4cm程の位置で腰飾りミシンをかける。腰裏にはミシンをかけない。かけるときは腰裏を上げておく。

腰飾りミシンの経路。
腰飾りミシンの経路。

持ち出しを付ける

地縫いの前に、次の順で重ねてしつけをする。

  1. 下前の上に上前を中表に置く
  2. ファスナーを下前にしつけする
  3. 持ち出しを上前の上に置き、下前に対して中表とする
  4. 持ち出しの表地と下前でファスナーを挟み、しつけする
持ち出しを地縫いする前の重ね方。
持ち出しを地縫いする前の重ね方。

そのうえで持ち出し、ファスナー、下前を地縫いし、持ち出しを表に返す。ここで左右の身頃がひとつにつながる。

持ち出しを地縫いし、表に返したところ。
持ち出しを地縫いし、表に返したところ。

下前の腰回り

下前にも上前と同様に腰芯と腰裏を付ける。腰飾りミシンも同じようにかけ、ここでも腰裏にはかけない。

下前の腰飾りミシンから続けて、持ち出し付けの部分に押さえミシンをかける。

下前に腰芯と腰裏を付けたところ。
下前に腰芯と腰裏を付けたところ。

ファスナー仕立てについて

ファスナーあきのズボンの縫い方は、1959年ごろになると縫製書に載るようになる。

参考文献

  1. 国内 竹村克巳 (1950) 『ティラァズ・ブック : 紳士服の裁断と縫方』 緑屋洋装研究所 書誌情報送信サービス 三つ揃いの縫製方法が分かりやすい絵をベースに解説されている
  2. 国内 染葉秋宏 (1959) 『男子服裁縫』 文化服装学院出版局 pp.176-177 書誌情報送信サービス 折襟背広の記載がない (下巻に含まれる?)
  3. 国内 江畑譲介 (1961) 『図解背広講座』 文化服装学院出版局 p.232 書誌情報送信サービス