前身頃に入れる芯を組む。

この工程では次の作業を行う。

  1. 前身頃の芯を作る

芯の構成

基芯(台芯、土台芯)を土台とし、その上に部位ごとの芯が乗る。胸の膨らみを出す増芯、ボタンホールのまわりを補強する釦芯、前肩の肩癖を作る肩芯である。

部位芯素材地の目
身頃の土台基芯(台芯・土台芯)麻芯。毛芯を使うこともある縦地
胸(膨らみを出す)増芯毛芯。麻芯やスレキ・キャラコで取ることもある
ボタンホールまわり釦芯スレキ
肩(前肩の肩癖を作る)肩芯スレキ斜地

基芯には、胸の中心を膨らませるためのダーツを取る。肩線のNP寄りを切り開いて固定し、肩の癖を取る。これで前肩に余裕ができる。増芯にも同じく、胸の中心を膨らませるダーツを取る。

増芯と肩芯を付ける前の基芯。奥にあるのが増芯。
増芯と肩芯を付ける前の基芯。奥にあるのが増芯。
基芯に増芯を重ね、肩芯と釦芯を付けたところ。地の色の濃いほうが基芯、明るいほうが増芯。
基芯に増芯を重ね、肩芯と釦芯を付けたところ。地の色の濃いほうが基芯、明るいほうが増芯。
胸まわりの拡大。増芯の縁を基芯に留めてある。
胸まわりの拡大。増芯の縁を基芯に留めてある。

土台となる基芯の上に、増芯・肩芯・釦芯をハ刺しでゆるく留め、肩癖と胸の張りを出しておく。

基芯は縦地、肩芯は斜地(バイアス)で取る。斜地にするのは身体の丸みに沿わせる箇所で、縦地では馴染まない。

芯の構造と素材は、その服に求めるスタイル、着るシーズン、水洗いをするかどうかといった洗濯の方法に応じて調整する。上の表は組み合わせの一例であって、そのとおりに入れなければならないものではない。

衿芯・袖芯・ミツ芯を含めた上着全体の芯は芯地にある。

参考文献

  1. 国内 染葉秋宏 (1940) 『男子服裁縫の要訣』 文化服装学院すみれ会出版部 書誌情報送信サービス
  2. 国内 木村慶市, 松原正巳 (1948) 『図解紳士服全書』 生活研究社 書誌情報送信サービス
  3. 国内 竹村克巳 (1950) 『ティラァズ・ブック : 紳士服の裁断と縫方』 緑屋洋装研究所 書誌情報送信サービス 三つ揃いの縫製方法が分かりやすい絵をベースに解説されている
  4. 国内 染葉秋宏, 太田三子夫 (1951) 『男子服の縫い方』 服装技能協会 書誌情報送信サービス