盛夏向けの上衣の仕立て方である。麻仕立て(肩裏仕立)と呼ぶが、麻に限らず、綿やアルパカを使った夏の上衣にも同じ作りをする。

総裏の仕立てとの違いは2つある。

  • 風を通すために裏地を減らす
  • 頻繁な水洗いに耐えるように裁ち目を保護する

裏地が減るぶん、総裏なら裏に隠れていた裁ち目が表に出る。そこを三つ折り、伏せ縫い、まつり縫いで始末していく。

芯

水洗いに耐える素材を使う。麻がその一つである。縫う前に十分な水通しをしておく。後から縮むと形が崩れる。

芯を入れる範囲も総裏より狭くなり、見返しと前裏の裏に隠れる範囲に収める。返り線にはテープを張る。

前芯と前身頃裏。返り線にテープを張り、芯をハ刺しで留めてある。
前芯と前身頃裏。返り線にテープを張り、芯をハ刺しで留めてある。

写真ではハ刺しにしているが、強度を重視するならミシンで刺すほうがよい。

前身頃のダーツ

割らずに片倒しにする。割るとほつれの原因になる。

ポケット

内ポケットはパッチポケットとし、見返しと前裏にミシンで縫い留める。

表のポケットは総裏と同じく箱ポケットや玉縁ポケットでも構わない。ただし袋地の裁ち目が裏地に隠れないので、袋縫いにするなどして裁ち目を保護する必要がある。

写真では胸ポケットも腰ポケットもパッチポケットにして、前身頃に縫い付けている。

胸ポケットと腰ポケット。どちらもパッチポケットとして前身頃に縫い付けてある。
胸ポケットと腰ポケット。どちらもパッチポケットとして前身頃に縫い付けてある。
内ポケット。パッチポケットとして見返しと前裏に縫い留めてある。
内ポケット。パッチポケットとして見返しと前裏に縫い留めてある。

後身頃の裏地

後身頃には裏地を全面には付けず、肩まわりだけに付ける。範囲は肩先から8cm下、首の付け根から6cm下ほどまでで、そこから下は裏地を付けない。

縫い目の始末

脇線や袖の外縫い目には、押さえミシンをかけておくとよい。

この仕立てで作ったものを作例に載せている。

参考文献

  1. 国内 木村慶市, 松原正巳 (1948) 『図解紳士服全書』 生活研究社 pp.302-304 書誌情報送信サービス
  2. 国内 染葉秋宏, 太田三子夫 (1951) 『男子服の縫い方』 服装技能協会 pp.153-162 書誌情報送信サービス